地域連携ICカードとは
ほとんど普通のSuicaですが、「2in1」と言って、地域独自に使える機能を盛り込めるSuicaです。
以前、従来型のSuicaに対応しない機能をつけるには、地域で独自にICカードを作成するしかありませんでした。そんな地域に向けてのカードです。
特徴1・バスの区間定期などが発行できる。
以前はSuicaでは基本的に「金額式定期券(〇〇円以内の区間ならどこでも有効)」しか対応していませんでした。
つまりバスの区間定期(「〇〇駅前〜〇〇小学校前間有効」のような)を発売するためには、地域の独自ICカードを作らないといけませんでした。地域連携ICカードでは、このようなやや特殊なバス定期券も発売できます。
特徴2・地域独自ポイントが追加できる。
高齢者向け
全国各地で、行政によって高齢者の移動支援などの政策が行われています。いわゆる高齢者パスといった類です。一定金額で乗り放題という地域もあれば、金券を発行する地域もあります。
この金券ですが、金券の代わりにSuicaへチャージを行なった場合、利便性は向上しますが、コンビニや他の地域での交通で使われてしまう恐れがあります。
これを防ぐための手段として、地域の独自ICカードにチャージすることがありました。
地域連携ICカードでは、地域独自ポイントの機能がカード内に入っているので、行政の高齢者移動支援用に地域の交通専用のポイントをチャージすることができます。
ポイント還元
以前の磁気バスカードでは、1000円で1100円分乗れるなどの施策が行われていました。
その代替施策としても、地域連携ICカードではポイントとして還元されることがあります。
特徴3・導入コストが安い
全国と共通のシステムを一から組み立てると、膨大な費用がかかります。
かといって、地域独自のICカードを作ると、利便性が落ちます。
観光客は普段使っているカードを利用できませんし、その地域の人も、エリアが重複する場所においては全国共通カードとの2枚持ちを強いられます。
地域連携ICカードでは、既存のSuicaのシステムを使いつつ、いろんな地域で同じ仕組みを共有するため、以前より安く導入できます。
今後のキャッシュレスはどうなる?
ICカードを導入して20年がたつ地域も出始めていて、システム更新の時期が近づいています。
更新の際に、地域連携ICカードに切り替えるところも出始めています。以前より安く、さまざまな施策を行えるICカードですが、それでも導入費用は相当なものです。
更新費用の莫大な金額を賄えない場合、広島電鉄のようにICカードを廃止してQRコードに移行したり、インバウンド対応を兼ねてVisaタッチを導入したりすることも考えられます。

